「Webを利用する全ての人々が、Webサイトのコンテンツを利用できること」
アクセシビリティも、ユーザビリティとよく似た概念ですが、その名の通り、アクセスの容易さを見るものです。到達容易度とも言います。
どちらかというと、バリアフリーと同じく、身体に障害のある方や高齢者の方に対する配慮を考える場合に使われることが多いようです
ユーザーサイドは「まず、すべての人々が利用できるためのアクセシビリティを確保」したうえで独自のユーザビリティ要素を付加していきます。
アメリカ連邦政府 リハビリテーション法508条 (英語)
アメリカ連邦政府の調達基準に関する法律です。連邦政府が管理するWebサイトは、障害をもつ連邦政府職員や国民にもにもアクセスできるものでなければならないと定められています。
さらに、障害のある人が利用できないIT機器、電子情報技術の購入、開発、保守管理を連邦政府機関がおこなうことを禁じています。
リハビリテーション法508条:ユーディットによる日本語訳
ユーディットはユニバーサル・デザインやアクセシビリティに繊細な配慮をおこなっている会社です。 ただアメリカ連邦政府の法律を訳すだけでなく、背景事情を説明した優れたリソースです。
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障害者のための応用技術を研究し、W3Cとリハビリテーション法に準拠したbobbyというオンラインアクセシビリティチェックツールを提供しています。非常に厳格なチェックをしてくれます。評価結果で「・・・でないなら」という形での採点が多いのが欠点かもしれません。
Webのアクセシビリティを確保するために多くの企業・団体が独自のガイドラインを発表しています。日本政府の公的機関もガイドラインを発表しています。
W3Cコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン1.0 (英語)
もっとも有名で影響力のあるガイドラインは、Webの標準規格化をすすめている団体であるWorldWideWebコンソーシアム(W3C)によるガイドラインです。
JIS X 8341-3(日本規格協会)
高齢者や障害のある人がWebコンテンツを利用するときの情報アクセシビリティを確保し,向上させるためにWebサイト設計時に配慮すべき事項について定めた指針です。
富士通ウェブ・アクセシビリティ指針
富士通がJIS X 8341-3をもとに、Webアクセシビリティに関して独自にまとめた指針です。JIS X 8341-3に比べてより、初心者でもわかりやすい構成になっています。
その他のアクセシビリティに関するガイドライン
アクセシビリティは人間的要素だけでなく、使用しているハードウェアや使用回線、使用している場面などの環境要因によっても左右されます。
たとえば、アクセシビリティについて配慮するうえで、下記の点に注意する必要があります。
- 使用しているOSはwindowsなのかmacなのか
- ブラウザはインターネットエクスプローラー(IE)なのかFirefoxなのか
- モニタの解像度はいくつなのか?
- 回線速度は?
- 閲覧している場所は?
Webデザインに対する障害に関しては、建築分野から発展してきたバリアフリーやユニバーサルデザイン活動に豊富な情報があります。
バリアフリーとは障害があったとしても利用できるデザイン、ユニバーサルデザインとはすべての人が利用できるデザインを意味しています。そして、Webサイトに関しては、特に人の「見る能力」に配慮しなくはなりません。
ユニバーサルデザインやバリやフリーに関する参考サイト
色覚科学研究会
Vision Science.com (英語)
視覚と眼科学学会(ARVO) (英語)
ミネソタ大学視覚研究所 (英語)
作成しているホームページのアクセシビリティ配慮状態を診断できるフリーソフトをご紹介します。
Fujitsu Accessibility Assistance
アクセシビリティを高めるための診断ソフトウェアツール群「Fujitsu Accessibility Assistance」をダウンロードできます。(富士通)
aDesigner
作成したホームページを閲覧シミュレーション結果を見つつ、エラー内容をリストで見ることができます。(IBM)
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